専任講師が語る学びのポイント「小論」 

野中健太郎講師
「小論文」では自分の考えを述べることが求められるわけですが、「考えを述べよ」と言われても一体何を述べたらよいのか分からないというのが大半の受験生の悩みです。そこで、自説を発想するための手がかりとして始めに課題文や図表が示されます。先ずはそれらの読解力の、次にそれをもとにした発想力の勝負となるのです。そして最後に、自分独自の意見を説得的に書くという難問がやってきます。そこでは、主体性と客観性とが求められるわけです。

 要するに、「読解 → 発想 → 論述」という三段階が「小論文」の基本的な仕組みです。それらの中で一番難しいのは「発想」でしょう。これこそが、答案の出来、不出来を決定的に左右する要素に他なりません。

 ではどうすれば採点官に評価してもらえる「発想」を得ることができるのか。そのカギは、物事を自らの切実な問題としてわが身に引き寄せ、それらを他者との係わり合いにおいて考える習慣を身につけることにあります。

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