AI時代において共通テストは何を求めているのか。

 かつてのセンター試験は平均点60点程度を想定し、教科書レベルの知識を正確に身につけていれば高得点を狙える「基礎学力重視」の試験でした。一方、共通テストは平均点50点程度を想定して作られており、基礎知識に加えて、読解力や情報処理力、時間内に大量の情報を処理する力が求められます。そのため、受験生は従来とは異なる学習法が必要となり、「難しくなった」と感じる人が増えています。

 この変化は受験生の進路選択にも影響し、共通テストを避けて私立大学を志望する「私大シフト」が進んでいます。しかし、私立大学や国公立大学の二次試験でも、記述式やリスニング、資料読解など、思考力を問う問題が増え、大学入試全体が変化しています。

 その背景にはAIの普及があります。AIが知識を瞬時に提供できる時代となり、単純な暗記の価値は低下しました。そのため大学は、AIでは代替しにくい「読解力」「情報統合力」「判断力」「思考力」などを重視する方向へと入試を転換しています。つまり、共通テストが難しくなったのは制度だけの問題ではなく、AI時代に求められる能力が変化したことを反映した、大学入試全体の大きな流れだと考えられます。

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